貿易用語集

貿易用語集(あいうえお順)

根本的な貿易用語をできるだけわかりやすく説明してみました。
少しでも皆様のビジネスにお役にたてれば幸いです。

か行

カーゴサブレット(Cargo Sublet)

船会社が必要な船のスペースを確保することが困難になった場合に、荷主との契約を履行するために他の船会社のスペースを借りること。

カートン梱包(Carton)

段ボール箱による梱包方法のことで、通常は比較的軽いものを梱包するのに用いられる。

外貨作業(Foreign Cargo Working)

保税工場などの保税地域での外国貨物に関わる作業のこと。

外国貨物(外貨)(Foreign Cargo)

既に輸出の許可を受けた貨物又は外国から到着した貨物で輸入の許可を受ける前の貨物。

外国為替(Foreign Exchange)

現金の輸送を伴わずに、国際間の賃借を為替手形、送金小切手などで決済すること。かつては法律(外為法)により取引に制限があったが、現在は完全に自由化され、より多様な取引が可能になっている。

外国為替相場(Foreign Exchange Rate)

各通貨間の交換率のこと。日本の場合、1949年に1米ドル = 360円の固定相場に設定され、1973年に変更相場制に移行し、現在に至っている。国によって制度が大きく異なっており、完全な変動為替相場制を採用している通貨は、先進国など一部の通貨に限られている。

外国ユーザーリスト(The List of Suspicious End Users)

経済産業省から輸出者に提供される、大量破壊兵器の開発などの懸念が払しょくされない外国の企業名や組織名の情報のこと。経済産業省のホームページに掲載されており、随時更新される。2013年時点で、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、イスラエル、イラン、インド、北朝鮮、シリア、台湾、中国、パキスタン、香港の組織が掲載されている。輸出者は輸出する貨物等のユーザーが本リストに掲載されていないことを事前に確認する義務があり、基本的にリストに記載されている組織に対する輸出は、経済産業大臣の許可が必要になる。

解釈全損(Constructive Total Loss)

推定全損参照

海上運賃(Ocean Freight)

貨物の海上輸送に対する代価。船会社に支払う。船賃ともいう。主に需要と供給の関係により相場が形成され、商品相場の変動要因にもなりえる。航空運賃と同じように、基本運賃に加えサーチャージ(BAF, CAFなど)と呼ばれる割増料金がかかることがある。

海上運送状(Sea Waybill)

シーウェイビル参照

海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS Convention)

1912年のタイタニック号海難事故を受けて制定された船舶の安全確保についての国際条約である。1914年に欧米主要海運国の出席のもとに開催された「海上における人命の安全のための国際会議」にて、救命艇、モールス無線機の装備や船客の等級による救命順序の廃止などを採択したが、第一次世界大戦勃発のため、発効には至らなかった。
その後、修正を加えた条約が1929年に締結され、1933年に発効した。現在の条約は、1974年のSOLAS条約で、累次の改定が行われている。最近では、2001年のアメリカ同時多発テロを契機に2002年に改定がなされており、テロ対策として港湾と船舶の保安対策強化が義務付けられている。

海上保険(Marine Insurance)

航海上の事故によって発生する積み荷などの損害の填補を目的とする損害保険のこと。海上保険の保険期間は、期間建て(2年間など)の火災保険や自動車保険などと異なり、原則として航海建(輸送区間:A地点からB地点までを保険期間とする)となっている。通常、船舶保険と貨物海上保険に大別される。
船舶保険は、船舶を対象とする保険で、船舶自体の損傷に加え、事故に伴う食糧や燃料などの損失や、衝突による賠償金などを保障する。
貨物海上保険は、船舶で国際間を輸送する貨物を対象として損失を保障する。貨物海上保険は、FPA (Free From Particular Average)と呼ばれる「分損不担保」、WA (With Average)と呼ばれる「分損担保」及びAR (All Risks)と呼ばれる「全危険担保」(オールリスク)の三種類に分けられる。このうち、「全危険担保」(オールリスク)が最も一般的に行われる保険条件である。
保険の対象となる金額(付保金額)は通常CIF金額の110%であるが、これは期待利益として10%上乗せすることが一般的だからである。
CIF契約においては売主が、FOBまたはCFR契約においては買主が保険会社と契約する。

海上保険証券(Marine Insurance Policy)

貨物海上保険契約の成立とその内容を証するために保険者(保険会社)がその契約内容を記載し、保険契約者に交付する証券のこと。

回転信用状(Revolving L/C)

信用状(L/C) の種類の一つで、輸入者が同一の取引先から継続的に同一の商品を輸入する際に、まず船積み一回分の金額分の信用状を発行し、その船積・決済が完了すると同金額の信用状が自動的に更新されるようにする信用状のこと。信用状発行の手間やコストを省くために用いられる。

買取銀行(Negotiation Bank)

輸出者が信用状(L/C)に基づいて振り出した輸出為替手形等を船積書類とともに買取る銀行のこと。買取銀行は、手形や船積書類が信用状の条件に一致し、また書類相互間に不一致がないことを確認した上で取引に応じる。通常、買取銀行は手形等の額面金額を即座に輸出者へ支払い、買取銀行が輸入者の銀行(信用状発行銀行)から輸出代金を受け取るのはその後となる。輸入者の銀行から買取銀行への実際の入金日までの立替金利は後日輸出者へ請求する。D/P(Document against Payment)やD/A(Document against Acceptance)など信用状(L/C)無し輸出為替手形を買取る時は輸入地の銀行の支払い保証が無い分取引のリスクが高く、輸出者の取引銀行が買取りを行わないこともある。

買取銀行指定信用状(Restricted L/C)

手形の買取を特定の銀行に指定している信用状(L/C)のこと。指定銀行が輸出者の取引銀行で無ければ、輸出者が買取又は取り立てにあたり取引銀行に書類(為替手形船荷証券インボイス、その他)を提出する場合、取引銀行は指定銀行を通じて書類を輸入者の銀行(信用状発行銀行)へ送付する必要がある。結果、割高な費用がかかることとなる。
輸出者が直接、当該信用状(L/C)の指定銀行へ書類を持ち込む場合は、当該銀行との取引条件の交渉が必要となる。

価格条件(Price Term)

CIFやFOB条件といったインコタームズ及びどの通貨を使うか等の条件のこと。

確認信用状(Confirmed L/C)

信用状(L/C)は発行銀行(Issuing Bank)が支払いを保証しているが、発行銀行自体の信用力に不安がある際などに、輸出地の銀行など(通常、輸出者の取引銀行)によって重ねて支払保証が確認(コンファーム)された信用状のこと。輸出者は、信用状金額 や発行銀行のリスク料率等に応じたコンファーム手数料を確認銀行(信用状に支払保証を確認する銀行)に支払う。発行銀行自体の信用状態(発行銀行の所在国のカントリーリスク含む)が良ければ、輸出者が確認銀行へ支払うコンファーム手数料は割安の料率が適用される。

学免(Duty Exemption for Goods for Scientific Research or Education)

我が国の学術・学問の発展を促進する目的で、学術研究用品の輸入に際し設けられた免税制度のこと。

加工貿易(Processing Trade)

原材料または半製品を輸入し、これを加工してその製品を輸出し、差額を収入とする貿易形態のこと。

過少申告加算税(Additional Tax for Deficient Declaration)

貨物の輸入申告などの後、税関の調査により納税金額が過少であるとして修正申告または更生が行われた時に、増加した税額の10%を課される追加課税のこと。正当な理由がある場合や税関の調査による更生を予知せず自主的に修正申告をした場合には課されない。

カスタムズインボイス(Customs Invoice)

インボイス(Invoice)参照

課税価格(Value for Customs Duty)

関税や消費税などの税額算定の基準になる輸入貨物の価格のこと。WTO関税評価協定では、各加盟国が基準をCIF又はFOBに定めるとしている。日本、EU、中国、韓国、インド、ASEANなどではCIF価格が基準になり、米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどではFOB価格を基準としている。

ガッチャ(Lashing Belt)

ラッシングベルト(Lashing Belt)参照

貨物(Cargo, Goods)

輸送の対象となる物品のこと。

貨物到着案内(Arrival Notice)

船会社若しくはその代理店が、船荷証券(B/L)面記載の着荷通知先(Notify Party)や荷受人(Consignee)に発行する貨物積載船の入港日と貨物の明細を通知する書類のこと。

空バン(Empty Container)

貨物が入っていないコンテナ

為替手形(Bill of Exchange, Draft)

手形の振出人(Drawer)が、第三者である名宛人(支払人, Drawee)に対して、指図人(受取人, Payee)への金銭の支払いを委託することを記載した証券のことで、約束手形(Promissory Note)とともに手形の一種である。略称は為手(ためて)。振出人に支払義務は無く、支払人(名宛人)にある。約束手形が振出人(支払人)と名宛人(受取人)の二者間取引であるの対し、為替手形は以下の通りの三者間取引である。
A 振出人(Drawer)
為替手形を振り出す。為替手形の振出人は通常、輸出者。
約束手形においては振出人に支払い義務があるが、為替手形において振出人は手形代金を支払いもしなければ、受取りもしない。
B 名宛人=支払人(Drawee)
手形代金を支払う。輸入者又は輸入者の銀行。
C 指図人=受取人(Payee)
手形代金を受取る。買取銀行。

為替リスク(Exchange Risk)

外国為替レートの変動により生じるリスクのことで、輸出の場合外貨建てで貨物の輸出契約を締結すると、代金決済時に円高になれば為替差損を被ることとなるが、円安になれば差益を得ることとなる。輸入の場合は、輸出の場合とは逆の効果がある。為替リスクを最小化するためには、為替予約を実行して事前に決済レートを確定することが有効である。

簡易税率(Simplified Duty Rate)

日本に入国する旅行者等の携帯品又は別送品に対して設けられた簡易な税率のこと。

看貫(Weighing Machine)

「かんかん」と読む。貨物の重量を量ること又は秤のこと。

関税(The Customs Tariff Law)

関税の税率、課税標準、減免等について定めた法律である。1911年に施行された。

関税番号(H.S. Code, Harmonized Commodity Description and Coding System, Tariff Code)

輸出入統計品目番号

関税法(The Customs Law)

関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出入についての税関手続の適正な処理を図るために必要な事項を定めた法律。関税定率法と並んで関税制度の基本法である。1954に施行された。

関税率表(Customs Tariff Schedules)

あらゆる物品を一定の原則に従って品目別に分類し、それぞれの品目ごとに定められた関税率を記載した表のこと。我が国の関税率表は、「輸出入統計品目番号」(H.S. Code)に基づいている。

完全生産品(Wholly Obtained or Produced Goods)

生産が一ヶ国のみで完結している物品のこと。例えば、収穫された農水産品、採掘された鉱業品、捕獲された動物、製造の際に発生したくず・廃棄物やそれらから回収された物品、完全生産品のみを原料として生産された物品などがある。製造工程で生じたくず・廃棄物を含める点に留意。

ガントリークレーン(Gantry Crane)

コンテナ貨物の荷役用のクレーンで、コンテナクレーン、ブリッジクレーンとも呼ばれる。本船が自装している場合もあるが通常は岸壁に設置され、コンテナ船からコンテナ貨物を岸壁に降ろしたり、船に積んだりするために使用される。ガントリークレーン1基あたりの取扱量は、日本の各ターミナルでは一時間当たり平均コンテナ35本程度である。

甲板積み(On Deck)

本船の船倉に積み込めない貨物を甲板上に積み込むこと。特に在来船の場合は、投荷や波ざらいなど船倉内に比べ貨物が損傷を受ける危険度が高いため、特約を付保しないと通常の海上貨物保険ではてん補されない。

機器受渡証(Equipment Interchange Receipt, E.I.R.)

船会社が荷主にコンテナ機器を貸し出す際に、受け渡しを証明する書類で、引き渡し時点での異常の有無などを含めコンテナの情報が記録されている。

危険物コンテナ収納検査

危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)にて定められた特定の危険物(火薬類、高圧ガス、一部の引火性液体、有機過酸化物、一部の毒物、放射性物質及び一部の腐食性物質)をコンテナ船で輸送する際、船積前に日本海事検定協会や新日本検定協会などの国の登録機関から受ける検査。危険物の海上輸送をより安全にする目的で、バンニング時に危険物のコンテナへの収納方法について検査する。タンクコンテナでの輸送の時は必要無い。

危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)

船舶による危険物の輸送に関して、容器の強度、表示、積載方法などの基準を定めたものである。1974年のSOLAS条約にて規定されている、国際海上危険物規定(IMGD Code)、国際バルクケミカルコード(IBC Code)、国際ガスキャリアコード(IGC Code)等の国際基準を逐次取り入れている。危険物の船舶による運送に際しては、最新の規則に精通しておく必要がある。

季節関税(Seasonal Duty)

輸入される時期によって適用する税率が異なる関税のこと。保存のきかない果物や野菜などについて、国産品の出回り時期がある季節に偏っている場合、その期間に限ってこれと競合する輸入品に対し高い関税を課し、国内業生産者を保護する。オレンジやバナナなどに適用されている。

喫水(Draft)

船舶において、水面から船体の一番下までの垂直距離のこと。水中に沈んでいる部分の深さであるので、水深より喫水が大きいと船が海底に乗り上げることになる。積み荷を増やすと喫水は深くなる。海水の濃度によっても変化し、河川や河口付近などでは海水と淡水の比重差により喫水は増加する。

基本税率(General Rate of Duty)

関税定率法に定められている税率であり、特別な事情の変更のない限り長期的に適用される基本的な関税率のこと。国内産業の状況、内外価格差や適切な国内産業の保護などを勘案した長期的な視点を基に設定されている。暫定税率、特恵税率と並び国定税率の一つ。

記名式裏書(Full Endorsement)

船荷証券(B/L)などの流通証券の所有者が、その証券を他者に譲渡するために裏書する際、譲渡される被裏書人を明記して裏書すること。譲渡される被裏書人を明記せずに裏書することは白地裏書(Blank Endorsement)という。

キャッチオール規制(Catch-All Controls)

2002年4月に大量破壊兵器の開発等を規制する目的で導入された制度のこと。
大量破壊兵器やその他の通常兵器の開発などに用いられるおそれのある特定の貨物や技術(これらはリスト規制品として品名がリストアップされている)以外のものを取り扱う場合であっても、大量破壊兵器(核兵器、放射能兵器、生物・化学兵器、ミサイル、無人航空機等)の開発、製造、使用、又は貯蔵に用いられるおそれがある場合や通常兵器の開発・製造または使用に用いられるおそれのある場合は、経済産業大臣の許可が必要となる。
したがって、輸出者は貨物の輸出または技術の提供に当たって、用途・需要者を確認する必要がある。食料品、動植物などのわずかな例外を除きほとんどのものが対象範囲となる。
輸出者が用途又は需要者の確認を行った結果、兵器の開発、製造、使用又は貯蔵に用いられるおそれがあることを知った場合や経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けた場合に、貨物の輸出または技術の提供に当たって経済産業大臣の許可が必要となる。リスト規制を補完していることから、補完的輸出規制とも言う。輸出貿易管理令別表第3に定めるホワイト国(2013年時点で27ヶ国が指定されている。アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア(2012年7月に追加)、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、大韓民国、ルクセンブルグ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国)向けの貨物の輸出や技術の提供については、キャッチオール規制の対象から除外される。海外向けに貨物の輸出や技術の提供を行う際は、輸出者は「リスト規制」と「キャッチオール規制」の両方の観点から確認を行う必要がある。

キャリア(Carrier)

荷主から荷物を引き受け、船や航空機などで運搬する事業者のこと。

ギャング(Gang)

海運業界では、本船に貨物を積み下ろしする作業員のグループの1単位のことをいう。1ギャング(ワンギャング)はコンテナ船では7-12名程度のことが多い。良い人たちである。

協定税率(Conventional Rate of Duty)

外国との条約に基づいて、特定品目について一定率以下の関税しか課さないことを取り決めている関税率のこと。我が国では、世界貿易機関(WTO)の協定に基づくWTO協定税率のみが存在し、WTO加盟国間では原則としてこの税率が適用されることとなる。全てのWTO加盟国に対し同じ税率を無条件に適用する義務があり、特定の国だけに関税を低く設定して優遇したり、逆に高関税を課したりすることは禁じられている。ただし、二国間や多国間で自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を結ぶことで、WTO協定税率より安い税率を設定することが出来る。

機用品(Aircraft’s Stores)

航空機で使用する貨物のこと。燃料、飲食物等の消耗品などである。

共同海損(General Average)

船舶が事故に遭遇した場合の合理的損害や費用の支出について、利害関係者間で按分し、損害を共同で負担する制度のこと。沈没の危険をさけるために一部の貨物を海に捨てるなどして損害・費用が発生した場合、船会社から共同海損が宣言される。共同海損が宣言されると、船の沈没を回避できた船会社や沈没を免れた貨物の荷主も、犠牲になった貨物の補てんや支出費用を、貨物の価額に応じて按分負担しなくてはならない。共同海損の原則や清算方法は、ヨーク・アントワープ規則(York-Antwerp Rules)にて取り決められている。原則として貨物海上保険でカバーされているため、貨物海上保険を付けている場合、共同海損分担金は保険会社によって支払われる。

緊急関税(Emergency Tariff)

国外市場における価格の下落などにより特定貨物の輸入が急増した場合、同種・競合貨物を生産する国内産業の重大な損害を防止するために課される割増関税のこと。関税定率法(第9条)に規定されている。セーフガード参照。

クーリエ・サービス(Courier Cargo Service)

急ぎの書類やサンプルなどの小口貨物を航空便で外国に届ける民間企業の配達のこと。特定地域向けの危険品などの例外を除き、届け先までDoor to Doorで送付することが出来る。国際宅配便。

クリーン信用状(Clean Letter of Credit)

インボイス船荷証券(B/L)などの船積書類の添付がなくとも手形の引受け、支払いを約束する信用状のこと。担保となる船積書類が伴わないのでリスクがあるため貿易取引に使用されることは少なく、運賃、保険料の支払い、借入金の返済などの貿易外取引に使用されることが多い。

クリーン船荷証券(Clean B/L)

外見上、貨物に損傷が無く、数量に過不足無い形で船積みされた場合に発行される船荷証券(B/L)のこと。これに対し、貨物に不具合がある場合には故障付船荷証券(Foul B/L)が発行される。信用状(L/C)決済の際、買取銀行はクリーン船荷証券のみ買取に応じる。

クレート梱包仕様(Crate, C/R)

外から貨物が見える木枠による梱包方法の一つであり、梱包後でも内容物を把握することが可能である。ケース梱包とともに、カートンなどで対応できない重量物に用いられている。ケース梱包に比べると資材が少なくて済むため、梱包コストを抑えられ、完成重量を軽量化することが出来るが、透かし部分からのダメージによる破損や防水には注意が必要である。

クロックワイズ積み付け(Clock Wise Stowage)

自動車運搬船で右ハンドル車を輸送する際の基本的な積載方法で、車が出入りするスロープを中心に時計回り(Clock Wise)の順に車を積み付ける。バックで止めるため、下ろす時には前進で出すことが出来る。左ハンドルなら反時計回り(Counter Clock Wise)に積む。1977年頃に日本郵船が導入した。

燻蒸(Fumigation)

梱包に使用される木材(パレット、木箱、木枠など)を熱や臭化メチルで消毒処理すること。処理後は消毒済みであることの証明として、国際基準または輸入国の求める承認マークが表示されていることが必要である。
米国、カナダ、メキシコ、キューバ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、パナマ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル、コロンビア、パラグアイ、ベネズエラ、ボリビア、豪州、NZ、EU加盟国、スイス、ノルウェー、中国、台湾、韓国、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インド、スリランカ、インドネシア、トルコ、イスラエル、ヨルダン、オマーン、エジプト、ケニア、南アフリカ、その他の国々で輸入用木材梱包材の燻蒸に対する規制が行われている。

経済的全損(Constructive Total Los)

推定全損参照

経済連携協定(EPA, Economic Partnership Agreement)

貿易だけでなく、人の移動、投資の自由、知的財産権の保護などを含む幅広い分野のルールを取り決めることで、関係強化を目指す国際協定。これに対し、自由貿易協定(FTA)は特定の複数国や地域で関税その他の貿易障壁をなくすことにより、自由な貿易取引の発展を目指す国際協定である。

ケース梱包仕様(Case, C/S)

貨物を木箱などに入れて密閉する梱包方法のこと。クレート梱包ともに、重量物の梱包に用いられている。木材以外の材質として、スチールやトライウォール(強化段ボール)を用いることもある。密閉梱包のため盗難防止の効果があり、雨やほこりなどのダメージから貨物を保護することが出来る。

ケーブルネゴ(Cable Negotiation)

信用状(L/C)取引において、輸出船積書類と信用状の内容とに不一致(ディスクレ)がみつかった場合の買取り方法の一つ。買取りを依頼された銀行はその内容をスイフト(Swift)にて信用状発行銀行に照会し、信用状発行銀行からその書類の買取りに応じる旨の確認を得た後に、輸出者からの書類の買取りに応じる。

検査場検査(Customs Inspection in the Examination Site)

税関が輸入貨物または輸出貨物を検査する際に、貨物を税関の検査場に持ち込ませて行う検査のこと。

原産地証明書(Certificate of Origin)

貨物の生産地や製造地を証明する書類のこと。輸入申告時に通常の国定税率より低い関税(特恵関税、EPA/FTA税率など)の適用を受けるために必要な証明書である。日本への輸入の際に特恵関税の適用を受けるためには、原産国の税関や権限を有する商工会議所が発給したFORM Aと呼ばれる形式である必要があり、その有効期限は発給日から一年間である。関税低減以外の用途としては、中東諸国によるイスラエルボイコットなど、特定国産の貨物の輸入禁止の必要から利用されることもある。

現実全損(Actual Total Loss)

保険の対象である貨物が、壊滅的な損傷を受け形状をとどめなくなったり、明らかに本来の用途に供せられない程度に変質してしまった場合など、現実に全損が証明出来る損害をいう。絶対全損ともいう。

現地組立輸出(Knockdown Export)

部品や半製品で需要地に輸出し、現地で完成品に組み立てて販売する方式のこと。

舷梯(げんてい)(Gang Way, Accommodation Ladder)

人が乗船・下船するために、一時的に船の横側に取り付けるはしごのこと。タラップ。ふなばしご。

現場検査(Customs Inspection on the spot)

税関が輸入貨物または輸出貨物を検査する際に、税関職員が貨物の蔵置場所に出向いて行う検査のこと。通常は税関の検査場で検査を行うことが多いが、貨物の搬入が困難な場合などはこの方法により検査が行われる。

航空運送状(AWB, Air Waybill)

航空貨物の運送契約を示す書類であり、運送契約締結の証拠書類、運送物品の受領証、運賃等の明細書などの役割を持つ。海上運送における船荷証券(B/L)に相当するが、船荷証券(B/L)が有価証券であるのに対し、航空運送状(Air Waybill)は有価証券ではないので、原本を運送人に提出しなくとも貨物の受け取りが可能である。
航空貨物輸送は、個々の荷主が混載業者に輸送委託し、混載業者はそれらの貨物を一つの大口混載貨物として航空機を運航している航空会社と輸送契約をする。その際に航空会社から混載業者に発行されるのがMaster Ari Waybillである。混載業者は、個々の荷主に対しては自らが運送人の立場でHouse Air Waybillを発行する。

航空危険物規則書(IATA Dangerous Goods Regulations)

航空便において危険物を安全に輸送するための取扱い手順を提供するために、IATAが毎年改訂出版している規則書(Dangerous Goods Regulations)を日本語に翻訳したものである。
航空輸送の制限貨物、危険物の分類、包装規定、表示方法、必要書類などに関しての規則が掲載されている。危険物の航空便による運送に際しては、最新の規則に精通しておく必要がある。

工場渡し価格(EXW, Ex-Works)

インコタームズ(Incoterms)の貿易条件の一つで、売主(輸出者)は自社の工場や倉庫などで貨物を買主に引き渡し、その後の費用と危険は買主の負担になる。
日本が売主の場合は、買主は日本のフォワーダーを税関事務管理人として任命し、税関への輸出申告手続きを買主の名義で行う。欧州では原則居住者が輸出入申告を行うことになっているため、欧州が売主の場合は、売主の名義で輸出通関手続きを行う。米国が売主の場合は、米国のフォワーダーを買主の輸出代理人として任命する必要がある。

更生(Reassessment)

貿易においては、一般的に輸入の関税の申告額に不足があった場合に、税関長が税額を変更すること。もし納税した税額が多い場合には、(納税者)輸入者が税関長に対して税額等の更生請求をすることも可能。

公正取引(Fair Trade)

自由貿易下において立場の弱い発展途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を促すために、発展途上国の農産物や雑貨などを適正な価格で継続的に購入・消費する取組み。

コーロード(Co-Load)

海上輸送において、混載業者(フォワーダー)はコンテナ一本分に満たない小口貨物(LCL貨物)を多数の荷主から集荷して、仕向地ごとにコンテナ一本に仕立てて輸送するが、自社ではタイミング良く一緒に積む貨物が十分集荷出来ないことがある。そのような時に、同じ仕向地向けに多くの貨物を集荷している他の業者のコンテナに相積すること。この時、他の業者のコンテナに相積する混載業者は、コーローダー(Co-Loader)と呼ばれる。コーロードが行われた場合、コーローダーは、荷主や荷受人に通常の運賃等に加え、コーロードフィー(Co-Load Fee)を請求することがある。

コーローダー(Co-Loader)

コーロード参照

コーロードフィー(Co-Load Fee)

コーロード参照

国際海事機関(IMO, International Maritime Organization)

海上の安全確保、海洋汚染防止や能率的な船舶の運航など、船舶や海洋に関する国際ルール作りのために諸問題を審議する国連の専門機関である。1958年に政府間海事協議機関(Inter-governmental Maritime Consultative Organization)が設立され、1982年に現在の名称に改称された。本部はロンドンに置かれている。

国際海上危険物規則(IMDG Code, International Maritime Dangerous Goods Code)

国際的な危険物の輸送における安全性を確保するために、国際海事機関(IMO)内の海上安全委員会(MSC)で採択される国際海上危険物規定である。危険物の定義、分類、危険物リスト、容器規定、輸送手順、容器等の試験規定、運送基準などが定められている。

国際ガスキャリアコード(IGC Code)

液化ガスの運送のための船舶構造と設備に関する国際規則である。

国際航空運送協会(IATA, International Air Transport Association)

国際線を運航する世界各国の航空会社の業界団体である。1945年4月に前身であるInternational Air Traffic Associationの継承機関として設立され、本部はカナダのモントリオールにあり、スイスのジュネーブにも管理オフィスがある。航空産業の発展、安全・確実・経済的な航空運送の促進、航空会社間の協力体制の強化、環境問題への対策などを目的とする。航空運賃や運送規則などを加盟航空会社間において協議し、取り決める。約230の航空会社で構成され、日本では日本航空(JAL)、全日本運輸(ANA)、日本貨物航空(NCA)の3社が会員となっている。通常「イアタ」と読むが、「アイアタ」とも読む。

国際統一商品分類システム(H.S. Code, Harmonized Commodity Description and Coding System, Tariff Code)

輸出入統計品目番号

国際バルクケミカルコード(IBC Code)

危険化学品運送のための船舶構造と設備に関する国際規則である。

国際標準化機構(ISO, International Organization for Standardization)

工業分野(電機分野を除く鉱工業、農業、医薬品など)の国際標準の策定とその利用促進を目的として1947年2月に発足した民間の非営利団体である。本部はスイスのジュネーブにあり、150ヶ国以上の加盟国が参加している。参加は各国の代表的標準化機構に限定されており、日本では日本工業標準調査会(JISC)が加盟している。国際標準化機構で制定された規格がISO規格であり、ISOねじのように工業製品そのものの国際規格もあるが、ISO9001のように品質管理の仕組みに対する国際規格もある。ISO規格が消費者の製品選択基準になり、また昨今ではISO取得が取引条件になることもある。

国際複合一貫輸送(International Multimodal Transport)

同一の運送人が異なる2つ以上の輸送手段を用い、貨物の引受地から最終仕向地まで一貫した運送を行うことである。船舶、鉄道、トラック、航空機などを組み合わせる。

国連番号(UN Number)

国連内に設置された危険物輸送専門委員会勧告の危険物リストに掲載されている危険物単体(例:ヒ素 UN No. 1558)若しくは類似の危険性を持つグループ(例:他に品名が明示されているものを除くアルコール類 UN No. 1987)に付与された4桁の数字である。現在、No. 0004からNo. 3506まで付与されている。非危険物には付与されないので、国連番号が付与されている物品は有害危険性があると判断出来る。
このような危険物は、以下の9つのクラスに分類されている。
  1. 火薬類(Explosives)
  2. ガス類(Gases)
  3. 可燃性液体類(Flammable Liquid)
    1. 可燃性固体(Flammable Solids)
    2. 自然発火性物質(Spontaneously Combustible Solids)
    3. 水反応性物質(Dangerous When Wet)
    1. 酸化性物質(Oxidizing Agent)
    2. 有機過酸化物(Organic Peroxide)
    1. 毒物(Toxic)
    2. 病毒をうつしやすい物質(Infectious Substance)
  4. 放射性物質(Radio Active)
  5. 腐食性物質(Corrosive)
  6. 有害性物質(Miscellaneous)

故障付船荷証券(Dirty B/L, Foul B/L)

船積みに際して貨物の外観や数量に異常や不備があることが認められた際に、船会社が発行する船荷証券(B/L)のこと。これに対し、貨物の外観に異常が無く、数量に過不足無い形で船積みされた場合には、クリーン船荷証券(Clean B/L)が発行される。信用状(L/C)決済の際、買取銀行はクリーン船荷証券のみ買取りに応じる。

国境持ち込み私条件(DAF, Delivered at Frontier)

売主(輸出者)は指定の国境で輸出通関を済ませた状態で貨物を買主に引き渡し、その後の費用と危険は買主の負担になる。

コルレス契約(Correspondent Arrangement)

外国への送金、手形の取り立て、信用状の接受など国際間の決済のために国内の銀行が外国の有力銀行と結ぶ外国為替取引業務の代行契約のことである。コルレス契約を締結している銀行をコルレス銀行という。

コレポン(Correspondence)

本来は文書で通信をすることであるが、貿易では海外と英文などでやりとりするビジネス文書のことを指す。かつてはテレックス、ファックスであったが、現在はほとんどが電子メールである。わかりやすく簡潔に書くことが肝要である。

混載貨物(Consolidated Cargo, LCL Cargo)

海上コンテナ輸送において、コンテナ一個を貸し切るには費用等の理由で適切でない小口貨物を同じ仕向地の他の荷主の小口貨物と一緒に同じコンテナに入れて輸送すること。コンテナフレートステーション(CFS)にてコンテナへの詰込み作業及びコンテナからの取り出し作業を行うので、CFS(シーエフエス)貨物とも言う。

コンサイニー(Consignee)

海上輸送においては船荷証券(B/L)、航空輸送においては航空運送状(Air Waybill)面に記載されている貨物到着地での貨物の受取人。通常、コンサイニーは輸入者であることが多いが、L/C(信用状)決済の時にL/C発行銀行になるなど、異なることもある。

コンソリ(Consolidation)

海上輸送において、コンテナ一個を貸し切るには小さな同一仕向地向けの貨物を集めて、一個のコンテナに混載して輸送するサービスのこと。または、そのサービスを行う業者。

コンテナ(Container)

貨物のユニット化を目的とする輸送容器で、鉄製のものやアルミ製のものなどがある。世界的に最も一般的な貨物コンテナは、ISO(国際標準化機構)によって規格が統一されている海上貨物用コンテナであり、長さが20フィート(約6メートル)と40フィート(約12メートル)の二種類がある。幅は8フィート(約2.4メートル)、高さは8.6フィート(約2.6メートル)だが、40フィートは高さが通常のものより1フィート(約30センチ)高い9.6フィート(約2.9メートル)のハイキューブコンテナがある。(サイズはすべて外径。)道路交通法により、日本国内の陸上輸送の最大積載量(Max Payload)はコンテナを牽引するトレーラーシャーシの車軸の数(コンテナの下にある台車であるシャーシを真横から見た時のタイヤの数と同じ)によって違い、3軸シャーシを使用する時は2軸シャーシより重い貨物を積載することが出来る。3軸シャーシによる移動であれば、20フィートコンテナで「コンテナ総重量24,000キロ-コンテナ自重 約2,300キロ(鉄製コンテナの一例。コンテナの自重はそれぞれ異なる。)= 最大積載量 約21,700キロ」となり、40フィートコンテナで「コンテナ総重量30,480キロ-コンテナ自重 約3,800キロ(鉄製コンテナの一例。)= 最大積載量 約26,680キロ」となる。
通常の海上貨物コンテナをドライコンテナといい、その他に、冷蔵貨物輸送用のリーファーコンテナ(Reefer Container)、液体貨物を輸送するタンクコンテナ、長尺物や嵩高物の輸送に適したオープントップコンテナ(Open Top Container)などの特殊コンテナがある。

コンテナ延滞料金(Detention)

ディテンション参照

コンテナ機器受渡証(Equipment Interchange Receipt, E.I.R.)

機器受渡証参照

コンテナ収納検査

危険物コンテナ収納検査参照

コンテナ船(Container Ship)

ISO(国際標準化機構)によって規格が統一されている長さが20フィート(約6メートル)と40フィート(約12メートル)の海上貨物用コンテナを輸送する貨物船。
国際定期航路の中心であり、時速約40-50キロ(約20-30ノット)程度と貨物船としては早い航海速力を持っている。荷役装置を持たないため、岸壁のガントリークレーンで荷役する。

コンテナシール(Container Seal)

輸出貨物をコンテナに詰み終わった後(バン詰め終了後)、コンテナのドアが開けられないように施錠部分に装着される封印。コンテナ内の貨物の紛失・盗難防止や別の貨物の混入防止に役立つ。シールには番号が振られており、積荷目録(マニフェスト)や船荷証券(B/L)に必ず記載される。

コンテナターミナル(Container Terminal)

トレーラーで陸送されたコンテナの船積み、コンテナ船から降ろされたコンテナをトレーラーに載せるなど、陸上と海上の接点となる港湾施設。コンテナ船が接岸してコンテナ積み降ろしをする岸壁、コンテナの積み降ろしをするガントリークレーン、コンテナを集積するコンテナヤード(CY)、コンテナフレートステーション(CFS)などの施設で構成されている。コンテナ埠頭とも言う。

コンテナ取扱料金(Terminal Handling Charge)

船会社の管理するコンテナヤードでの作業料という名目で、荷主が船会社に支払う課徴金(サーチャージ)。仕向地により料金が異なる。

コンテナ内積付表(Containers Load Plan)

コンテナに積載された貨物の明細を記載する書類。FCL貨物(CY貨物)では通常、荷主の代理人である海貨業者(フォワーダー)が輸出貨物をコンテナに詰みこんだ時に作成し、輸出貨物の入ったコンテナを船会社のコンテナヤード(CY)に搬入する際に提出する。貨物明細の他、コンテナ番号、コンテナシール番号、コンテナの種類、本船名、船積港、荷揚港、輸出者、輸入者などの情報が記載される。

コンテナ・フレート・ステーション(CFS, Container Freight Station)

シーエフエス(CFS)参照

コンテナ・フレート・ステーションチャージ(CFS Charge)

シーエフエス(CFS)参照

コンテナヤード(Container Yard)

コンテナターミナル内でコンテナの受け渡しをするために各船会社が指定している場所。ここにコンテナを集積、蔵置し、またシャーシへの積み降ろしを行う。
輸入の際、ガントリークレーンによってコンテナ船からおろされたコンテナは、ストラドルキャリアやトレーラーにより保税地域であるコンテナヤードに運ばれ、税関の輸入許可を待つ。 輸出の際、貨物入りのコンテナがトレーラーによってコンテナターミナルへ搬入され、ガントリークレーンによってコンテナ船に積み込まれる。

コンテナラッシング(Container Lashing)

ラッシング(Lashing)参照