貿易用語集

貿易用語集(アルファベット順)

根本的な貿易用語をできるだけわかりやすく説明してみました。
少しでも皆様のビジネスにお役にたてれば幸いです。

I

IATA(International Air Transport Association, 国際航空運送協会)

国際線を運航する世界各国の航空会社の業界団体である。1945年4月に前身であるInternational Air Traffic Associationの継承機関として設立され、本部はカナダのモントリオールにあり、スイスのジュネーブにも管理オフィスがある。航空産業の発展、安全・確実・経済的な航空運送の促進、航空会社間の協力体制の強化、環境問題への対策などを目的とする。航空運賃や運送規則などを加盟航空会社間において協議し、取り決める。約230の航空会社で構成され、日本では日本航空(JAL)、全日本運輸(ANA)、日本貨物航空(NCA)の3社が会員となっている。通常「イアタ」と読むが、「アイアタ」とも読む。

IATA Dangerous Goods Regulations(航空危険物規則書)

航空便において危険物を安全に輸送するための取扱い手順を提供するために、IATAが毎年改訂出版している規則書(Dangerous Goods Regulations)を日本語に翻訳したものである。
航空輸送の制限貨物、危険物の分類、包装規定、表示方法、必要書類などに関しての規則が掲載されている。危険物の航空便による運送に際しては、最新の規則に精通しておく必要がある。

IBC Code(国際バルクケミカルコード)

危険化学品運送のための船舶構造と設備に関する国際規則である。

IGC Code(国際ガスキャリアコード)

液化ガスの運送のための船舶構造と設備に関する国際規則である。

IMDG Code(International Maritime Dangerous Goods Code, 国際海上危険物規則)

国際的な危険物の輸送における安全性を確保するために、国際海事機関(IMO)内の海上安全委員会(MSC)で採択される国際海上危険物規定である。危険物の定義、分類、危険物リスト、容器規定、輸送手順、容器等の試験規定、運送基準などが定められている。

IMO(International Maritime Organization, 国際海事機関)

海上の安全確保、海洋汚染防止や能率的な船舶の運航など、船舶や海洋に関する国際ルール作りのために諸問題を審議する国連の専門機関である。1958年に政府間海事協議機関(Inter-governmental Maritime Consultative Organization)が設立され、1982年に現在の名称に改称された。本部はロンドンに置かれている。

Importer(インポーター)

貨物の輸入者のこと。

Incoterms(インコタームズ)

各国の商習慣の違いによって発生する取引上の誤解、紛争などを防止するために国際商業会議所(ICC = International Chamber of Commerce)が1935年に制定した貿易条件の解釈基準に関する国際規則。正式名称は”International Rules for the Interpretations of Trade Terms”。任意規則であるためそれ自体に強制力は無いが、当事者間でインコタームズに準拠する旨の合意をしておくと当事者間においては拘束力を有する。加除修正を繰り返し、現在は4類型11条件に分けて定義した2010年度版(インコタームズ2010)が最新版である。但し、過去の分が無効になったわけではないので、契約時に何年版を適用するのを明記することが望ましい。
以下に、「インコタームズ2010」が規定する2つの分類と11項目の取引条件を示す。
※注
インコタームズ2010では、2000年版のDグループにあった4条件(DAF、DES、DEQ、DDU)が廃止され、新たに2つの条件(DAT、DAP)を加えた合計11の規則で構成されており、上記2つのクラスに分類された。
[Incoterms2010]取引条件
略称取引条件
(1)あらゆる輸送形態に適した規則
(Rules for Any Mode or Modes of Transport)
EXWEx Works工場渡し
FCAFree Carrier出荷地運送人渡し
CPTCarriage Paid To輸送費込(運送人渡し)
CIPCarriage and Insurance Paid To輸送費・保険料
(運送人渡し)
DATDelivered at Terminalターミナル持込渡し
DAPDelivered at Place仕向地持込渡し
DDPDelivered Duty Paid仕向地持込渡し 関税売り主負担
(関税込み)
(2)海上および内陸水路輸送のための規則
(Rules for Sea and Inland Waterway Transport)
FASFree Alongside Ship本船船側渡し
FOBFree On Board本船積込渡し
CFRCost and Freight運賃込(本船積込渡し)
CIFCost Insurance and Freight運賃・保険料込
(本船積込渡し)
※注
インコタームズ2010では、2000年版のDグループにあった4条件(DAF、DES、DEQ、DDU)が廃止され、新たに2つの条件(DAT、DAP)を加えた合計11の規則で構成されており、上記2つのクラスに分類された。

Inland Depot(インランドデポ)

海港や空港の周辺地域以外の内陸部にある保税地域である物流拠点のこと。内陸地域の経済国際化、貿易振興などの目的で地方自治体などが整備している。保税蔵置や通関が出来るため、輸入したコンテナを港でデバンニングせずここまで保税輸送し、デバンニングすることなどが出来る。

Insurance Certificate(Insurance Policy, 保険証券)

Insurance Policy参照

Insurance Policy(Insurance Certificate, 保険証券)

保険契約内容の契約の証拠として保険会社が発行する証券のこと。

Insurance Premium(保険料)

荷主など海上保険をかける側(保険契約者)が保険会社(保険者)に支払うお金のこと。保険料は保険金額(貨物のCIF価格の110%などが一般的)に保険料率を乗じて計算されるが、保険料率は、契約者の過去の実績、貨物の性質、仕向地などの条件に応じて保険会社が決定する。

Integrator(インテグレーター)

国際運送・物流業者のうち、貨物の集荷から国際輸送、配送に至るまでのDoor to Door運送を自社の経営資源のみで一貫して行うもののこと。広範囲にわたる輸送ネットワークを構築するため、航空機や集配車、仕分けターミナルなどの大規模な設備投資が必要となる。FedEx(アメリカ)、UPS(アメリカ)、DHL(ドイツ)、TNT(オランダ)などがこれにあたる。

International Air Transport Association(IATA, 国際航空運送協会)

IATA参照

International Maritime Dangerous Goods Code(IMDG Code, 国際海上危険物規則)

IMDG Code参照

International Maritime Organization(IMO, 国際海事機関)

IMO参照

International Multimodal Transport(国際複合一貫輸送)

同一の運送人が異なる2つ以上の輸送手段を用い、貨物の引受地から最終仕向地まで一貫した運送を行うことである。船舶、鉄道、トラック、航空機などを組み合わせる。

International Organization for Standardization(ISO,国際標準化機構)

ISO参照

Interports(インターポート)

近い港の意。日本では、極東、東南アジア域内の諸港または近海のことをいう。

Inverse Processing Deal Trade(逆委託加工貿易)

Processing Deal Trade(委託加工貿易)

Invoice(インボイス)

輸出貨物の品名、数量、価格、契約条件、契約単価などを記載した明細書と請求書を兼ねる書類のこと。貿易取引において、船荷証券(B/L)と並ぶ最重要書類の一つ。輸出時及び輸入時の貨物通関手続きなどにも不可欠な書類である。以下の種類がある。
Commercial Invoice(商業送り状)
売主(輸出者)が、買主(輸入者)にあてて発行する貨物の明細を記した書類で、出荷案内書、納品書、物品明細書、価格計算書及び代金請求書などを兼ねている。
貨物の品名、数量、単価、金額、本船名、船積日、船積港、仕向港などが記載されている。
Proforma Invoice(プロフォーマインボイス)
見積り送り状と訳されることもあるが、一般的なビジネスの現場では買主(輸入者)から注文書や注文の内示の受領後に売主(輸出者)が価格その他の契約条件を記載して発行する。買主はこの書類を確認した上で、銀行送金やL/C開設の手配をする。従って日本語のイメージでは、見積り書ではなく注文請書に近い。
Customs Invoice(カスタムズインボイス)
輸出通関時に輸出申告の為に発行する税関用インボイス。
Consular Invoice(領事送り状)
輸出品の価格などの正当性を証明するために、輸出国に駐在する輸入国の領事が輸出者の作成したインボイスや原産地証明書などに査証(ビザ)するもの。輸入国で関税の公正な徴収や統計資料作成などの目的で用いられる。近年では廃止される傾向が多いが、中東、アフリカ、中南米の諸国などで輸入時の通関時に必要とされる国が残っている。領事の査証には費用と手間がかかるため、船積日の変更などによる書類の内容変更などの際は悩ましい問題となる。

ISO(International Organization for Standardization, 国際標準化機構)

工業分野(電機分野を除く鉱工業、農業、医薬品など)の国際標準の策定とその利用促進を目的として1947年2月に発足した民間の非営利団体である。本部はスイスのジュネーブにあり、150ヶ国以上の加盟国が参加している。参加は各国の代表的標準化機構に限定されており、日本では日本工業標準調査会(JISC)が加盟している。国際標準化機構で制定された規格がISO規格であり、ISOねじのように工業製品そのものの国際規格もあるが、ISO9001のように品質管理の仕組みに対する国際規格もある。ISO規格が消費者の製品選択基準になり、また昨今ではISO取得が取引条件になることもある。

ISO Container(Tank Container, Tanktainer, Isotainer, アイソコンテナ, タンクコンテナ)

海上貨物用コンテナの一種であり、主に液体貨物を輸送するのに使用される。ISO(国際標準化機構)規格に従って製造されているため、ISOコンテナ(ISOタンク)とも呼ばれる。内部は通常ステンレス製で、メタルのフレームの中に納まっている。ドライコンテナと異なり、40フィートのサイズのものは存在せず、20フィートのみである。タンクコンテナでの輸送は、専門のオペレーターに依頼するのが一般的である。

Isotainer(Tank Container, Tanktainer, ISO Container, アイソコンテナ)

ISO Container参照