貿易用語集

貿易用語集(アルファベット順)

根本的な貿易用語をできるだけわかりやすく説明してみました。
少しでも皆様のビジネスにお役にたてれば幸いです。

D

D/A(Documents against Acceptance, 手形引受書類渡し)

貿易における決済方法の一つ。輸入者が手形期日(30日後、90日後、180日後など)に支払いを引き受ける(Acceptance)約束することを条件に、輸出者から輸出地の銀行(輸出者の銀行)を通じて輸入地の銀行(輸入者の銀行)へ送られた船荷証券原本(Original B/L)を含む船積書類一式を受け取ることが出来、すなわち貨物の受け取りが可能になる(この時点で手形代金は支払わない)。予め合意された手形の決済期日(30日後、90日後、180日後など)が来ると輸入者は銀行へ手形を決済する必要があるが、信用状(Letter of Credit, L/C)付き手形と違い銀行に代金回収の義務はない。そのため、輸出者にとってリスクの高い決済方法であり、信用力の高い輸入者との決済に使われるのが一般的である。

D/O(Delivery Order, デリバリーオーダー, 荷渡指図書)

輸入の際、船会社が荷受人(輸入者)に発行する書類で、荷受人はデリバリーオーダーと引き換えに貨物を受け取ることが出来る。原則、船荷証券(B/L)を船会社に差し入れた後に発行されるが、船荷証券がまだ荷受人に届いていない場合は、保証状(L/G)を船会社に提出することでデリバリーオーダーの発行を受け、貨物を引取ることもある。

D/O Fee(Delivery Order Fee, ディーオーフィー, デリバリーオーダーフィー)

船会社がデリバリーオーダーを発行するための手数料。通常、荷受人(輸入者)が船会社に支払う。2014年より消費税が課税されることとなった。

D/R(Dock Receipt, ドックレシート)

D_R参照

DAF(Delivered at Frontier, 国境持ち込み私条件)

売主(輸出者)は指定の国境で輸出通関を済ませた状態で貨物を買主に引き渡し、その後の費用と危険は買主の負担になる。

DDC(Destination Delivery Charge)

米国向けの貨物に関して、仕向港のコンテナヤードでの作業料という名目で発生する課徴金(サーチャージ)。米国以外ではTHC(DTHC)と言い、原則シッパーが支払うことは無いが、特に米国向けに関しては事前の確認が必要である。

Delivered at Frontier(DAF, 国境持ち込み私条件)

DAF参照

Delivery Order(D/O, デリバリーオーダー, 荷渡指図書)

D/O参照

Delivery Order Fee(D/O Fee, ディーオーフィー, デリバリーオーダーフィー)

D/O Fee参照

Demurrage(デマレージ)

貨物の輸入の際に、本船からコンテナヤード(CY)やコンテナフレートステーション(CFS)に搬入されたコンテナや貨物が、一定の無料保管期間(フリータイム)の期限を過ぎても引き取りがされない場合に発生する超過保管料。船会社がコンテナや貨物の早期引取りを促すために設定している。

Destination Delivery Charge(DDC)

DDC参照

Detention(ディテンション, コンテナ延滞料金)

コンテナ単位で貨物を輸入の際に、コンテナヤード(CY)から引き取った実入りコンテナ(中に貨物の入ったコンテナのこと)から貨物を引取った後、空コンテナを船会社指定のコンテナヤード(CY)又はバンプール(VP)に返却するまでの日数(フリータイム)が規定日を超過した場合に発生する延滞料金。各々の船会社により超過一日当たりの料金が決められている。

Devanning(デバンニング, デバン, バン出し)

コンテナから貨物を取り出すこと。バン出しともいう。

Dirty B/L(Foul B/L, 故障付船荷証券)

Foul B/L参照

Discrepancy(ディスクレ, デスクレ)

輸出者が銀行に提出した船積書類の内容が信用状(Letter of Credit, L/C)の内容と一致しない箇所があること。信用状取引は非常に厳密な書類取引であり、手形代金支払い拒否のリスクがあるため、軽微なスペルミス等の不一致も発生させるべきではない。ディスクレが発生したときは、①信用状の内容変更(アメンド)を輸入者に依頼②ケーブルネゴ(ケーブルネゴ参照。)③エルジーネゴ(L/G Negotiation)にて買取(エルジーネゴ参照。)④取り立て扱い(Collection)にて発行銀行へ書類送付(取り立て扱い参照。)などの処置を取ることが多い。

DOC Fee(Documentation Fee, ドキュメンテーションフィー, ドックフィー)

船会社が船荷証券(B/L)などの書類を発行するための手数料。2014年より消費税が課税されることとなった。

Dock Receipt(D/R, ドックレシート)

船会社のコンテナヤード(CY)やコンテナフレートステーション(CFS)に貨物を搬入する際に、荷送人(シッパー)の代理で海貨業者(フォワーダー)が作成し、船会社に提出する貨物の明細などが記された書類。船会社はドックレシートを基に船荷証券(B/L)を作成する。

Documentary Bill(Documentary Draft, 荷為替手形)

Documentary Draft参照

Documentary Draft(Documentary Bill, 荷為替手形)

輸出者の発行する為替手形に、船荷証券(B/L)などの船積書類が添付されたもの。輸出者は、輸出者の取引銀行と輸入者の取引銀行を通じて、輸入者に為替手形と船積書類を送付する。その際に、輸入者は手形の代金の支払いか手形の引き受け(手形の支払いを確約)をしないと船荷証券をはじめとする船積書類を入手し貨物を手に入れることが出来ない。この仕組みを利用すると、輸出者としては輸入者が貨物を受け取ったにも関わらずその代金を支払わないリスクを軽減することが出来る。信用状(L/C)付きの場合とD/P(Document against Payment)やD/A(Document against Acceptance)のように信用状(L/C)無しの場合がある。

Documentation Fee(DOC Fee, ドキュメンテーションフィー, ドックフィー)

DOC Fee参照

Documents against Acceptance(D/A, 手形引受書類渡し)

D/A参照

Domestic Cargo(内国貨物(内貨))

輸出の許可を受ける前の貨物又は外国から到着した貨物で輸入の許可を受けた後の貨物。

Draft(喫水)

船舶において、水面から船体の一番下までの垂直距離のこと。水中に沈んでいる部分の深さであるので、水深より喫水が大きいと船が海底に乗り上げることになる。積み荷を増やすと喫水は深くなる。海水の濃度によっても変化し、河川や河口付近などでは海水と淡水の比重差により喫水は増加する。

Draft(Bill of Exchange, 為替手形, ドラフト)

手形の振出人(Drawer)が、第三者である名宛人(支払人, Drawee)に対して、指図人(受取人, Payee)への金銭の支払いを委託することを記載した証券のことで、約束手形(Promissory Note)とともに手形の一種である。略称は為手(ためて)。振出人に支払義務は無く、支払人(名宛人)にある。約束手形が振出人(支払人)と名宛人(受取人)の二者間取引であるの対し、為替手形は以下の通りの三者間取引である。
A 振出人(Drawer):為替手形を振り出す。為替手形の振出人は通常、輸出者。
約束手形においては振出人に支払い義務があるが、為替手形において振出人は手形代金を支払いもしなければ、受取りもしない。
B 名宛人=支払人(Drawee):手形代金を支払う。輸入者又は輸入者の銀行。
C 指図人=受取人(Payee):手形代金を受取る。買取銀行
貿易の決済において、輸出者と輸入者間の売買契約に基づいて貨物を船積みした後に銀行経由で書類を送付する場合、現金を直接送る代わりに、輸出者が輸入者又は輸入者の銀行を名宛人(支払人)とし、輸出者の銀行を指図人(受取人)とする為替手形を振り出す。従来型の為替手形は2枚1組になっており、信用状付為替手形の一般的な記載事項は(1)手形番号(2)手形金額(3)手形の振出地及び振出日(4)手形期限(一覧払い=At Sightなど)(5)手形受取人(買取銀行)(6)手形実質支払人(輸入者)(7)信用状情報((Drawn Underの後に)発行銀行名、信用状番号、発行日)(8)手形名宛人((Toの後に)信用状発行銀行又は輸入者)及び(9)手形振出人(輸出者)とその署名になる。

Drayage(ドレージ)

海運においては通常、貨物を詰めたタンクコンテナを陸上輸送することを指す。

Dry Container(ドライコンテナ)

リーファーコンテナタンクコンテナなどの特殊コンテナでない、一般的な海上貨物用コンテナ。

Duty Exemption for Goods for Scientific Research or Education(学免, 特定用途免税)

我が国の学術・学問の発展を促進する目的で、学術研究用品の輸入に際し設けられた免税制度のこと。